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人間も外来種じゃないの?

 アノール柵を点検していて

「とーちゃん どうしてアノールを駆除するの」と尋ねてきた。
「アノールはな、母島の大事な昆虫たちをパクパク食べちゃうんだよ。もともと居なかったんだけど いろいろあって人の手によってここへ運ばれて来ちゃったってわけ。これが居なかったころは、なんとか うまくやっていたのだろうけど バランスが取れなくなっちゃって 絶滅しかかっているものが沢山いるんだよ、だから 駆除するんさ」
「うーん、えっ じゃ人間がアノールを入れたわけ?」
「まーそういうことだ」
 一応 納得してくれたらしいが、次の言葉にちょっと驚いた
「ねえ とーちゃん、人間は、外来種じゃないの? どうして人間は、駆除されないの?」という。深いなー こいつ。社会学部系の頭脳なのかなんて思ってしまう。
「とても深く良い質問だ(一応 褒める)。人間という生き物は、いろいろ考えることができるんだよね。おまえもいろいろ考えているだろう。たださ、その考えって(考え方の意味)その時代その時代でいろいろ変わっていくんだよね。昔はさ アノールのような 今で言う外来生物を持ち込んで 野外に放つなんてことは、"自然へ帰す"みたいな感じで 誰でもやっていたことだったけど それだって昔の考えなんだ。今の考え方ではないんだ。」
「へぇー」
「でね、人間は、いろいろ考えることができるんだけど 元々あった生態系を取り戻そうとする考え方を持つことができるのも人間なんよ。反対に壊すこともできる。おまえだったら 取り戻すのと 壊すのとどっちがいい?」
「・・・・取り戻すことの方がいい」
「だよね。でも取り戻すって簡単に口に出すのは、いいけど 取り戻すのは、誰がやるんだい?」
「誰? えっ ヒト」
「そーヒトなんよ。ヒトがいなくなれば 自然が戻ったり 生態系が取り戻せるワケではないんだよ。ただ、今のやり方が 未来栄光 正しい考え方なのかって部分は、大いに疑問をもっていてもらいたいなーと とーちゃん的には、思う」
「ん?なんで」
「その時 その時代に合った 考え方というのがきっとあると思うんだ」
「ヒトは、考える動物なのか」
「そんなところだ」って なんかテキトーに誤魔化しちゃった処もあるんだけど 随分 鋭いことを訊くようになったもんだなーと感心。

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